カテゴリー別アーカイブ: 04.仕事場

仕事の現場にて

廃業決心

株式会社Learningvoteを畳む決心がついた。
もうずっと「ダメかもしれない」と思っていた。
しかしそれではやめられない。
世には「やまない雨は無い」とか「諦めなければいつか成就する」などの寓話があるからだ。

廃業を決心できたのは、「論理的にダメな理由が分かった」と思えたからだ。
具体的には述べないが、第1の理由は「早過ぎて遅過ぎた」のだと思う。
これを打破するには後者を是正すれば良く、それにはシステムの変更と組織を要する。
だがその為のゼニもコネクションも無い。これが第2の理由。
強いて第3の理由を挙げれば、「人様を巻き込みたくない」かな。現時点では誰にも迷惑は掛けていない。甘い。

膨大な時間と労力とゼニをつぎ込んだ。年1800km走ったり、多くを断ち切った。
しかし「残念」とは思っていない。
失敗に違いないが、
「これほどの大きな失敗を俺はした」
人生の中の稀有な11年間だった。
ならば悔いる事はない。

さあ!何しよっかなぁ。
やはり教育系を目指すか、ゲーム系に戻るか、リタイアか、脚力を活かして配達員か(マジいいと思う)。

準敗北宣言

慈善事業がしたかった。
留学支援財団創設が目的だった。(→義務留学
生半可じゃない証拠にビジネスモデル特許第5124696号を捻り出した。
これを元に財団創設の足掛かりとすべく株式会社Learningvoteを設立した。

遠隔授業システムを造り、教育サイト「Learningvote」を運営したが、俺にこのプロデュースは無理だった。

2016年に諦めかけたが、お笑い系への転身をやり残していると思い、1年やる事にした。

2017年後半、いくつかシステムにトラブルが発生したが切り抜けられた。
しかし完璧とは言えず、ここで決心が付いた。
お客様に迷惑を掛けるかもしれず、こんな状況で続けるべきではない、と。
俺には続ける資格がない、と。

さて、どうすべきか。
①廃業
②食いぶちとランニングコストを稼ぐ為にバイトして事業続行
③財団創設を諦め、特許を他社にライセンス
④コンサルタントに相談

①が出来ない人も多いだろうが、自分では努力したつもりなので悔いはないと思う。しかし、「学ぶ人も儲かる」特許を眠らせるのはもったいない。

②は売れない芸人ぽくてオモロイ。57歳にしてジタバタするおっさんを見るというか、演じるのは面白そう。しかし「俺には続ける資格がない」に反する。

③かなぁ。これが一番合理的だろうな。

④この特許を使うアイデアに関しては、当たり前だが、俺が一番考え抜いたし、蓄えている。名刺交換しただけの人にも頼ってみようか。

などと考えている2017年12月19日。

契約書の英訳

契約書作成時、自分または相手の草案をチェックする際、疑問に思う文章は英訳してみると良い。

日本語だけで考えると主語が抜けるなど、不完全な契約書になっている場合がある。
英訳は校正に役立つ。
英訳にはGoogle翻訳を使えばよい。

しかしこれを逆手にとり故意に主語を隠したり修飾の範囲をごまかせば、自分に有利な契約や、未知の対応を玉虫色にすることもできる。
でも読解力のある相手からはバカにされたり信用を失う危険があるので、後者はギャンブラー向き。

ちなみにヘンな草案を寄こしてきたら、俺は相手をバカにはしない。
「自分と自社の利己に必死だな」と敬意を払う。マジで。
で、こーゆーばーい、指摘すると随分折れてくれる。で、1度っきりの付き合いとする。

類似記事:アメリカンな契約

50代で他人を堕落させるのか

「最近の若い者は」がいつの時代も使われているフレーズである事は、誰もが知っている。
つまり、ヒトは堕落し続けている、いつも退廃に向かっているわけだ。
何がそうさせるのか。
文明だ。
ヒトが自然に退化しているのではない。言わば、退化させてそこ文明。
文明、文明の利器、便利なインフラ。
鉄道、クルマ、テレビ、パソコン。俺らが作っていたビデオゲームもそう。スマホもそう。
浄土真宗もそうだと言えば、否定する学者も居るだろうが、俺は同じだと思う。

大多数の人は、どうしても、どうしても、自分を甘えさせてくれるものに向かう。
厳しい修行に身を置く人も居るには居るが、少数。
だから、受けを狙うなら、人を甘やかすのが手っ取り早い。
人を堕落させるのが手っ取り早い。

俺はもう、人が良くなって、なかなか他人を堕落させるような真似はできん。
しかし、「やらなきゃ」と、思ってる。
でもまだ、落としどころが見つからない。

株式会社Learningvote設立

株式会社設立登記申請から1週間、さいたま地方法務局にて、登記完了を確認。

かくして、平成25年11月1日付で、

株式会社Learningvote

の設立が確定しました。

2014年春季のサービス開始を目指します。

大ヒット企画のプレゼン

1985年にシューティングゲームの革命児として日本を席巻した『グラディウス』。
その約1年前、開発会議に於いて、この企画の製作可否を問うプレゼンテーションが行われていた。
プレゼンテーターはディレクターのM氏。
当時の彼は駆け出しのディレクターで、まだプレゼン力は無かった。
聴衆は社長を始め、役員や各部の重鎮、それに各開発部署の精鋭達で30人は居た。
内容はともかくとして、M氏のまるで抑揚の無い一本調子で事務的なプレゼンに、半分以上の聴衆は舟を漕ぎ始め、ふと蘇生する者が居たり、まるで集団催眠実験の場に居合わせたようだった。
シューティングと言えば、クールさが暗黙のルールだったが、『グラディウス』の企画は有機的なイメージだし、ステージ構成に一貫性がないし、だからと言って問題ではないし、『ツインビー』を凌ぐパワーアップは有るし、なんとも判断の困難なモノだった。
よって、賛否両論ある中、辛うじて製作の許可が下りた。

1993年、伸び悩むPCエンジン向けのソフト開発責任者Y氏が背水の陣で望んだ開発会議。
有ろう事か、女子高生と話したり、行動パターンで興味を引いたりして、告白を受ける事を目的としたゲーム企画がプレゼンされていた。
そのようなモノは家庭用ゲームソフトが生まれた頃から在るには在ったが、アングラなイメージで、大手のコナミが手掛けるようなジャンルではなかった。
しかし企画内容をよく聴くと、不純なものではなく、しかもPCエンジンユーザーには恰好の商材と成り得るだけに、コナミのイメージ失墜を懸念する慎重派と推進派の間で揉めた。
Y氏は至って真面目だったのだが、「神聖な開発会議にそんなイロモノを持って来るとは、Yも堕ちたものだ」と、陰口も叩かれた。
結局、製作許可は下りたのだが、発売まで市場の評価は得られず、Y氏は退職の憂き目を見た。
1994年、発売後暫くしてから火が点き、「恋愛シミュレーションゲーム」の分野を打ち立てた『ときめきメモリアル』の生い立ちである。
「捨て身の制作」とも言える。

両者共に、時代を代表する商品となったわけだが、この2作に限らず、大ヒット商品の企画時の評価とは大体こんなものだ。
決して満場一致で賛同を得る事は無い。
そりゃそーだ。
全員が賛同するような企画は「先が見えるモノ」なので、未知の開拓とは矛盾する。
賛否両論を巻き起こすモノこそ新時代を切り開く可能性が有るのであり、大ヒットと成り得る。

更に言うなら、この判断基準を備えている企業が勝ち上がり、無くせば衰退する。

同時期同テーマの商品力

コナミ在籍中は主にアーケード(ゲーセン)ゲームの開発に携わっていたが、似たテーマの商品が同時期に他社から発売されるケースが多々あった。
産業スパイ、なんてドラマチックな事態も在るには在ったが、大体は偶然、と言うか、必然だ。

業界の流れやハードウェアの進歩状況から、1年後の市場ニーズが匂いたつ。
それを嗅ぎ付けるのは、他社も同じ。
学校のテストで、カンニングをしていない二人が同じ答を出すのと似ている。

そこで一つ、ライバルより商品力を上げる方法が有る。
早く発売する事だ。
ゲーセンの経営者は潤沢な資金力を有してはいない。
一つのテーマの商品を仕入れたら、後発で同じテーマの商品が出ても仕入れにくい。
セガ『ダンクショット』さん、ごめんなさい。あなたは、開発者の熱い想いが読み取れるゲームでした。

他の商品同様、ゲームも手を掛ければ掛けるほど良くなる。
なので、ディレクターは1ヶ月でも2週間でも製作終了日を延ばしたい。
しかし、他社が同テーマの商品を先に発売するかも知れず、1ヶ月の延長が、よほど高インカムをもたらす変革でなければ、1年間の苦労を水泡に変える事もある。

とは言え、ディレクターは商品力を上げる事ではなく、製品の質を高める事が仕事なので、延長するか否かはプロデューサーしか判断できない。
実際には、他社のライバルとなる商品情報は入って来るので、延長してぎゃふんと言わせるか、抱き合わせで巧みな営業で乗り切るか、商品化せずお蔵入りにするかなど、選択肢は多い。
ま、1年作ってきたものを、1ヶ月の延長で見違えるインカムにするのはほぼ無理だけど。

企画書以上の仕様を盛り込まず、スケジュールを前倒しすれば、広報や営業に好影響を与える。そんなディレクターは、既にプロデューサーだ。

英語+α

昭和の頃は一般教養の基礎として、「読み書き算盤(ソロバン)」と言われていた。
「読み書き」はいつの時代にも必須だが、昭和の時代は算盤力が多くの仕事で重宝がられた。暗算もチョチョイとこなせるし。中にはそれで生計を立てる人も居た。
それが1990年代にはキーボードタイピングになり、2000年代になるとMicrosoft Office、つまりワード・エクセル・パワポとなった。

さて2010年代。これは英語だろう。
既に社長が外国人の企業は、日本に幾つも在るし、そうでなくても社内の公用語を英語にしたり、中小企業が東南アジアに活路を求める時代だ。

ここで勘違いしてはいけない事が有る。
算盤、キーボードタイピング、Microsoft Office同様、英語も基礎能力に過ぎないという点だ。
出来なくてもいいが、その場合、仕事が限られ、進展も望めない。
出来たからといって、その社内では当然の事で、特別な仕事は得られない。
遣り甲斐の有る仕事に就きたければ、英語以外の一所懸命分野が必須。

2010年以降、意に沿った仕事に就けないと嘆いている人は、「不況だから」と思っているかも知れないが、「英語力が無いから」が隠れた真の理由じゃないかな。
就職活動前に、英語、Microsoft Office、キーボードタイピングぐらいは身に付けておこう。
これらを習得できる各種学校は、そこらの大学より就職には有利。
少子化、大学増加で、大学は入学も卒業も簡単になるから、学問の府と見なそう。

ちなみに2020年代の予想は…、クラウドかな。
ネット検索の速さやSNSの友達作り術ではなく、集合知。「正廣ノーツ」も貢献するかな。

立候補

改めて振り返ってみると、なんだかんだと立候補していた。推薦を受けるのじゃなく、自ら立候補。

学級新聞作りの面白さに目覚めた俺は、中3で受験を控えた10月にも係わらず、広報班長に立候補。
どの班も班長なんて推薦されて仕方なく引き受けるモノだったし、前期作った新聞の評価も高かったので、異論無く当選。受験勉強無視で班員以外の応援も得て毎月1日と15日に発行し続けた。
1月1日は自転車でクラス全員の自宅に配る記者魂(^^;

高2の修学旅行で、コース選択から船内での動向まで、教師から受ける子供扱いに対する反発から、「自主を勝ち取りたい」と生徒会長に立候補。
が生徒の多くは、事なかれ主義だった(TT) で、単独立候補ながら40%強の史上最低得票率で当選。
選挙への関心を高める為、自らを短命政権にして、生徒会会期を半年にしたなぁ。

1981年、コナミ入社後やや有って開発部に編入され、まずはキャラクター(当時は記号に近い^^)作成をしていたが、朝の会議で課長が「誰かサウンドプログラムをやってくれないか?」と呼び掛けられ、アセンブラ言語を数時間教わっただけの俺が手を挙げていた。
無謀にも見えるが実際は、当時の常識を覆すサウンドを次々と打ち出した。

サウンドプログラマとして頑張ってはいたものの、画像プログラミングにも強い関心を持っていた。
或る未発売作品の画像プログラミングは先輩の主任が担当していたが、主任の退社後、内緒で勝手に画像プログラミングで遊んでいた。
で主任が海外出張している間に、勝手にセルフチェックプログラムを作っちゃって、採用された。
『ジャイラス』では提案を「出来ない」と言われたので、勝手に作って「出来ますけど」と見せたり…。
で1983年、画像プログラマに立候補し、『サーカスチャーリー』で3つのステージを任せられた。

1986年、米国開発室設立に際しては、後輩に駐在を勧めているうちに自分が行きたくなって、社長室に行って直談判的立候補(^^
日本の全ゲームメーカーが売上を落としていた米国市場を、日本以上のシェアに変えた。

出る杭は打たれるという状況は、在るには在る。
でもそんな事、本人は気にしなくてもいい。
そんな些細な問題より、立候補のいいとこは、「失敗では終われない」縛りと言うか、脅迫観念と言うか、良く言えば士気が上がる。いや、やはり恐怖心と隣り合わせだけど(^^;
でも、現状以上の力が発揮される事は間違いない。
そしてそれは、自分が伸びるだけじゃなく、後輩にノウハウを分けられる。

論協の確率

議論をすると、不毛な論争になるのは、確率的に当然。
2人で議論する場合、双方が「相手の意見を尊重する」場合のみポジティブな方に向かう可能性が有るのであって、片方もしくは両方に「相手の意見を尊重する」姿勢が無ければ不毛。
つまり、議論がポジティブに向かう確率は、場合分けしただけでも4分の1となる。
そして実際には、「相手の意見を尊重する」人の確率も加味せねばならず、これが4分の1なら、議論がポジティブに向かう確率は16分の1だ。
3人だったら、64分の1。4人だったら、256分の1だ。

しかし「相手の意見を尊重する」人の確率が2分の1だったらどうか?
この場合、論者が4人でも、16分の1でポジ出し可能。

「相手の意見を尊重する」人の確率を上げれば、議論はべき的(?)にポジティブになる。

「相手の意見を尊重する」のを、人の確率ではなく、人の姿勢として捕らえてもほぼ同じ事が言える訳で、ポジティブな結論を導き出したければ、お互いにそう成れば良い。
貴重な時間を費やして、不毛な論争に明け暮れるのはMOTTAINAI。

ご存知でしょうが、「相手の意見を尊重する」姿勢の有る、気のいい凡人が集まって、画期的な結論が出ると保障する訳ではありませんので、あしからず(^^;