日別アーカイブ: 2013/03/01

青壮年自殺大国

内閣府「平成24年版自殺対策白書」第1章 自殺の現状 3 年齢階級別の自殺者数の推移 によると、

我が国における若い世代の自殺は深刻な状況にある。年代別の死因順位を見ると、15~39歳の各年代の死因の第1位は自殺となっており、(中略)こうした状況は国際的に見ても深刻であり、15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは先進国7ヵ国では日本のみで、その死亡率も他の国に比べて高いものとなっている。

「他の国に比べて高い」どころではない。先進国7ヵ国(日・加・米・仏・独・英・伊)2位のカナダや、(先進国7ヵ国ではないが)自殺が多い韓国の1.5倍だ。群を抜いている。
しかも死因比較では、自殺が事故死や腫瘍死の約3倍!
ニッポンは「突出した青壮年自殺大国」である事を、まず認識しておこう。

他の先進国と明らかに違うのは宗教色だ。ユダヤ教、キリスト教、イスラム(教)は自殺を禁止しているが、日本では宗教そのものが希薄で、自殺の抑止力になっていない。
また、日本では歴史的に自殺を容認する文化がある。人柱・切腹・心中・特攻・殉死など、美談・武勇伝として語り継がれる。「いっそきれいに死のうか」って歌詞も堂々と放送されてる。

そして残念な事に、平成10年比の自殺率は、40歳以上は減っているのに、39歳以下は増えている。

いったい日本の若者世代に何が起こっているのか。
と、嘆く人も多いだろうが、若者世代は突然変異を起こしたのか?違うだろう。親世代の影響だろう。

自殺の要因は「将来についての不安や絶望」「家族からの虐待や周囲からのいじめ」「過重労働」「貧困」「介護疲れ」「孤独」などと言われる。
どれも当人の耐性を高めれば回避できる。
その訓練として、親世代は負荷を掛けなきゃいけない。
負荷を掛けるには、前提として信頼関係を築かねばならない。

先ず問題は、親が信頼関係を築けなかったり、負荷を与える技術の無い事だが、真の問題は、そんな親が増えた事と、それを補う制度が無い事。だろう。
むしろ「個人の尊重」や「個人情報守秘」の乱発で、負に傾倒している。と思う。

39歳以下へのケアを、親に任せず、社会が、自治体が、お節介気味に干渉して、見守っていく必要があると思う。俺も自治会で発言していこう。
さもなくば、不幸の年代はどんどん広がる。